シミ・そばかすなど、あらゆる色素沈着症や老化した皮フに対応しています。
シミ・そばかす(日焼けのあとのシミ)・ニキビ・ニキビ跡・乳頭・乳輪の黒ずみ/色素沈着・ケガや手術後の色素沈着・老人性色素斑(老人性のシ ミ)・老人性疣贅・老人性の細かいシワ・扁平母斑(先天性、遅発性の茶色いアザ)
トレチノイン治療は、上記のような症状でお悩みの方にお勧めする治療法です。あらゆる色素沈着症や老化した皮フが対象です。
トレチノイン治療とは
トレチノイン(オ-ルトランスレチノイン酸)とは、ビタミンA(レチノール)の誘導体で、生理活性はビタミンAの約300倍であり、ビタミンA類の生理活性の本体そのものであります。
このレチノイン酸は、誰でも血液中にごく微量流れているものですから、抗原抗体反応を起こしたり、アレルギー反応を起こすことはありません。
トレチノインは米国では、しわ、にきびの治療医薬品としてFDAに認可されており、非常に多くの患者さんに皮フの若返り薬として使用されています。
トレチノインの皮フに対する作用には以下のようなものがあります。
- 角質をはがす
- 表皮の細胞をどんどん分裂・増殖させ、皮フの再生を促します
- 皮脂腺の働きを抑え、皮フの分泌を抑えます
- 真皮でもコラーゲンの分泌を高め、長期的には、皮フの張り、小じわの改善をもたらします
- 表皮内でのヒアルロン酸などの粘液性物質の分泌を高め、皮フをみずみずしくします
トレチノインによるしみ治療
表皮の細胞は表皮の一番深い層(基底層といいます)で生まれてから、徐々に表面に押し上げられてきて、やがて角質となり、最後は垢となって皮フからはがれていきます。
この表皮の細胞の一生のサイクルを皮フのターンオーバーと呼び、約4週間かかることが知られています。
大多数のしみは、表皮の一番深いそう(基底層)周辺にメラニン色素が沈着しています。
この層にはメラノサイトと呼ばれるメラニンを作る細胞があります。
通常市販されている美白剤(医薬部外品)は、メラノサイトがメラニン色素を新しく作る量を減らすような働きをする有効成分が微量含まれていますが、
非常にその作用が弱い上に現在沈着しているメラニン色素を外に出してしまうような作用は全くないため、すでに存在しているしみはよくなりません。
● ひとくちアドバイス ●
しわに効果があるとして、レチノールやレチニールエステル配合のクリームが、現在多くの化粧品会社から1-2万円程度で市販されておりますが、
レチノールやレチニールエステルは外用ではレチノイン酸の約100分の1の生理作用しかないため、実際には臨床効果がなく、単なる保湿クリームという位置付けになります。
トレチノインは、表皮の深いそうにあるメラニン色素を外に出してしまう働きをもっています。
トレチノインは表皮の細胞を活発に増殖させるために、表皮の細 胞はどんどん押し上げられていき、そのときにメラニン色素を一緒に持ってあがっていき、
2ないし4週間でメラニン色素を外に出してしまいます。
これがレチノインの特長です。本治療では、この期間ずっと、強い美白剤であるヒドロキノン(ハイドロキノン)を作用させて、メラノサイトに新しいメラニンを作らせなくしておきます。
そうすると結果的に、表皮はメラニン色素の少ない、きれいな新しい皮フに置き換えられることになります。
トレチノインによるニキビ治療
にきびは皮脂腺の機能が亢進するとともに、毛孔の入り口に角質が異常に厚くなり
蓋をすることにより起こります。
トレチノインは皮フの皮脂腺を萎縮させ、皮脂腺の機能を低下させるとともに、毛穴に蓋をしている角質をはがれやすくすることによって、にきびを治していきます。
トレチノインを始めとするレチノイド(ビタミンAの誘導体の総称)は非常に有効なにきび治療薬として、欧米ではにきび治療の第一選択薬となっています。
具体的な治療法
一般的には、ビタミンAの誘導体(オールトランスレチノイン酸)の外用剤やメラニン合成酵素阻害剤のクリームなどを1日1~2回塗布します。サンスクリーン(日焼け止めクリーム)や
保湿剤も毎日使います。必要に応じて、さらに強い酸を使用して科学的に皮フを溶かします( ケミカルピーリング )。
また、レーザーを使用する場合もあります( フラクショナルレーザー )。ニキビ・ニキビ跡・シワに効果があります。2週間に一度の割合で通院していただきます。治療には少なくても3ヶ月程度要します。また、副作用としては使用数日より患部の発赤、ヒリヒリ感が出ます が、そのまま治療を継続しても徐々に治まります。
治療期間中は避妊をしなければなりません。妊娠を希望する人、妊娠中の人はこの治療はできません。
**このページは東京大学形成外科美容外科講師 吉村浩太郎先生作成の冊子を引用させていただきました。**